ビジネスモデルごとのチャットボットの利用用途、活用シーンについて

コラム

チャットボットとビジネスモデル

チャットボットは、非対面のコミュニケーション手段として個人からビジネスまで幅広く使われています。特にBtoB、BtoC、BtoEなどのビジネスモデルにおいて、チャットボット導入は増加の傾向にあり、様々な用途で活用されています。

チャットボットの使い方はそれぞれの現場によって異なります。

そこで、ここではビジネスモデルとしてよく使われるBtoB、BtoC、またBtoEなどについて、どんな意味かをしっかりと把握し、それぞれの現場でどのようにチャットボットが使われているのかを理解していきましょう。

ビジネスモデルにはどんなものがある?

それでは改めて、BtoBやBtoCなどの意味を説明していきます。ビジネスにおいてよく使われるBtoBやBtoCは、収益を図るためのビジネスモデルといえます。

BtoB(ビートゥービー)は、Business to Businessを略したもので、企業が企業に対してサービスやモノを提供するビジネスモデルのことを指します。BtoBは企業が顧客であり、受注単価も高く信頼を獲得できれば継続的な取引につながることが多いのが特徴です。

一方で、購入の意思決定は企業単位で行われるため、契約までのプロセスは簡単ではなく、時間もかかります。

BtoCは、Business to Consumerの略で、企業が一般消費者を対象に販売を行うビジネスモデルを指します。スーパーや百貨店、旅行会社、ホテル、またECサイトなど、基本的に個人で購入できる商品やサービスはほぼBtoCにあたります。

一般消費者の意思によって購入が決まるため、購入のプロセスは複雑ではありませんが単価はBtoBに比べて低くなります。それだけに、販売数が収益に大きく影響し、また洋服や家具・家電など商品によってニーズや流行に左右されやすくなるといえます。

BtoEは、Business to Employeeの略です。これは、企業が従業員に対してモノを提供するというものです。一般的に福利厚生の一環としてサービスを提供する形が多いですが、社内で行われる人材育成や作業効率を図る業務支援などのサービスも含まれることがあります。

これは直接的な収益ではなく、社員にサービスを提供することで人材確保やモチベーション維持、仕事の満足度に影響を与え、それが結果として生産性や収益の向上、企業成長につながるという考え方で行われています。

ほかにもモノやサービスを提供するモデルが様々あり、例えば個人の間で行われるものはCtoC、メルカリやネットオークションなどのモデルです。企業と行政の間で行われるものはBtoGと呼ばれ、道路・鉄道整備、庁舎建設などの公共事業などがあります。

行政と個人の間で行われるものはGtoC、住民票の電子申請、e-Taxによる確定申告などのサービスがあげられます。

そして生産事業者(メーカーなど)が直接一般消費者に提供するモデルは、DtoCと呼ばれています。卸売業者や店舗を介さない企業のECサイトなどがそれにあたります。

これらBtoB、BtoC、BtoEなどは、B2B、B2C、B2Eなど、toを簡略化するために数字を使って記載されることもありますが、基本的に意味は同じです。

ビジネスモデルごとのチャットボットの利用用途

一口にチャットボットといっても用途や仕組みは様々です。では、主にビジネスでどのように活用されているでしょうか。ここではBtoB、BtoC、BtoEでよく使われるチャットボットについて説明していきます。

チャットボットは、大きくわけて「チャットサポート」「チャット接客」「アシスタント」の3つの用途に分類できます。

チャットサポート

「チャットサポート」は、BtoB、BtoCにおいて企業のカスタマーサポートとして顧客の問い合わせや質問などに対応するものです。質問が多く対応できる人材が確保できなくても、24時間365日チャットボットが音声やテキストで返答します。

BtoEでは、社内ヘルプデスクとして使用されます。例えばアサヒグループホールディングス(HD)では、人事総務部に「人事系AIチャットボット」を開発・導入したことにより、大幅な労働時間の削減に成功しています。

社員からの問い合わせの多くは、出産や育児休暇、転勤など、各種手続きに関する定型的な内容が3割を占めていたことから、人事部が約1,000件のQ&Aを作成し、AIに学習させて対応を自動化しています。

チャット接客

「チャット接客」は、Webサイトやアプリ上でチャットによる接客を行います。イメージとしては、LINEのトークやSMSのような会話形式で、ユーザーと企業側が対話を行いながら、商品の紹介や問い合わせ受付を行います。企業が持つ顧客管理(CRM)情報や商品データベースなどをもとに、商品やサービスの紹介、質問の回答などを行います。

ユーザーのすべてのニーズに対応できるわけではありませんが、特定のページやコンテンツに設置することで、シナリオを想定することができます。

BtoCの例をあげると、ファッション大手の「nano・universe(ナノ・ユニバース)」は、公式アプリの商品画面に「お問い合わせボタン」を設け、タップするとチャット画面が開き、商品詳細、サイズやコーディネートなどの問い合わせに回答します。

チャット機能を活用したユーザーのうち約3割が継続して利用しており、サイト訪問率や収益のアップにつながっています。

アシスタント

アシスタントは、音声認識や意図解釈の技術を用いて、一般消費者や社員の問い合わせに対応するもので、スマートスピーカー、バーチャルアシスタントなどがこれに当たります。

例えば三菱UFJ銀行では、スマホ向けAI音声対話アプリ「バーチャルアシスタント」を設けています。音声認識によってユーザーは普段通りの話し言葉で質問ができ、仮想キャラクターが返答してくれるというものです。

返答できない場合は、コールセンターにつないでくれます。それまで行っていたやり取りもデータとしてコールセンターに共有されるため、ユーザーは説明をし直すという手間を省くことができます。

BtoBのチャットボット効果は?

BtoCやBtoEは、問い合わせに自動で対応できることにより利便性の向上につながっていますが、BtoBは商材によって活用シーンが異なり、導入効果のイメージがつきにくい傾向にあります。

それでも様々な取り組みが行われており、近年BtoBではインサイドセールスとしてチャットボットを活用しているところが増え、実際にマーケティング効果を出している企業もあります

インサイドセールスは、これまで足で企業を訪問し契約を取り付けていた従来型のフィールドセールスに対し、電話やメール、Webを活用して非対面で商談機会を創出する営業活動です。

インサイドセールスでは、サイトのコンテンツを充実させ、そこに設けられた検索や問い合わせの機能にチャットボットが活用されています。問い合わせによって関心の高い顧客との接点を作ることが可能になり、効果的なPR施策などを行うことができます。

これらを行うためには、ユーザーインターフェースを考慮しながら適切な提案や答えを導きやすいチャットボットを開発することが重要になってきます。

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チャットボットの仕組みを理解する

チャットボットは、用途によって活用が異なるだけでなく、「シナリオ型」「AI型(機械学習)」の2つの仕組みがあります。

シナリオ型はあらかじめ想定された質問と回答を用意し、シナリオを設計します。ユーザーは自分が質問したい内容に近い、または類似するものを選んで対話を進めていきます。ただし、複雑な内容には対応できず、ニュアンスの違いで矛盾が発生する可能性があります。

それに対し「AI型」は、「自然言語解析」や「キーワード解析」を行い、アルゴリズムによって統計的に正しい答えを導き出すため、シナリオ型より対応範囲は広くなります。一方で大量の教師データと十分な学習が必要になり、学習状況によっては制御が難しいこともあります。

自動化でカバーできない部分は人間のオペレーターなどを組み合わせて対応できるようにする必要があり、開発には多角的な視野で取り組むことが望ましいでしょう。

需要が伸びているチャットボット市場

チャットボット市場は、CtoCの個人向けチャットサービスから、現在ではBtoB、BtoC、BtoE、DtoCなどあらゆるビジネスモデルに活用され、需要が伸びています。

ITコンサルティング会社のITRが発表した「ITR Market View:ビジネスチャット市場2020」によると、2018年のビジネスチャットは75億円規模、2019年は106億円、2020年は156億円となっています。

ビジネスチャット市場については、矢野経済研究所の「ビジネスチャットツール市場に関する調査を実施(2023年)」によると、2022年度のビジネスチャットツール市場は前年度比22.6%増の312億6,300万円の見込み(調査当時)であり、2026年度の予測は約437億円となっています。

個人向けのチャットサービスから普及してきたチャットボットは、ビジネスへの活用でも抵抗感が少なく、また製造業や建設業、医療・介護事業者、飲食店など、もともとPCを使わない現場でも利用されてきていることなどがあげられています。

チャットボットのサービスを提供するベンダー側も、セキュリティの強化、各種業務システムとの連携やきめ細かなサポートなど、機能強化やサービスの充実を図っており、このことも市場の拡大に寄与しているとみられます。

チャットボットのビジネス活用の有効性

人材が不足する中、省人化と効率化は多くの企業で課題となっており、その課題を解決するためあらゆるビジネスモデルでチャットボット活用が注目されています。

それにより社内業務の効率化、生産性の向上を実現するだけでなく、ユーザーの利便性、収益にかかわるマーケティングなど目的も多様化しています。 チャットボットの導入には、ビジネスモデルとチャットボットの性質、活用目的やユーザーインターフェースなどを考慮しながら、生産性の向上につながる適切な検討を行いましょう。

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