ニーズが高まるチャットボット市場、その理由とは?

チャットボット市場 コラム

近年SNSや企業のWebサイトでよく見かけるようになったチャットボット。商品やサービスに関して知りたいことや分からないことがあるとき、チャットボットにテキストを送ればすぐに返答を得られ、問題をスピーディーに解決することができる便利で効率的なツールだと言えるでしょう。

今回はそんなチャットボットについて、チャットボットの現在の国内需要や、数あるサービスの中から自社にふさわしいものを選ぶときのポイント、今度の動向などについてご紹介します。

チャットボット市場は世界規模で拡大中

サイトの閲覧中に目にする機会が増えたチャットボットですが、最初に登場したのは半世紀も前の1966年のこと。当時は入力したテキストに対して応答ができる簡単な自然言語処理プログラムでした。その後少しずつ進化を遂げると、Microsoft Office97に「Officeアシスタント」というヘルプ機能として搭載されました。キューっという鳴き声とともに現れる、愛くるしいイルカのアニメーションを記憶している人もいるでしょう。

そして時代とともに機械学習やAI技術が進んだ2011年、iPhone 4sに搭載されたチャットボット「Siri(シリ)」は、自然な音声の呼びかけに答えてくれるという親しみやすく画期的な機能で、iPhoneユーザーの多い日本でも話題になりました。

さらに2016年、MicrosoftやFacebook、GoogleやLINEといった大手IT企業が、チャットボットのAPI(プラットフォーム)の提供を開始。するとチャット形式で手軽に回答に辿りつくことができるこの便利なサービスに、数多くのベンダー企業の関心が寄せられました。以来チャットボット業界は世界規模での急成長を続けています。

チャットボット市場が日本で拡大している理由

日本でも、機会を逃すことなく多くのベンダー企業が開発に乗り出し、チャットボット市場は現在進行形で拡大中です。2018年に矢野経済研究所が発表した「対話型AIシステム市場に関する調査」では2017年の対話型AIシステム市場規模を11億円と推計、2020年には87億円規模に成長し、2022年には132億円にのぼるだろうと予測しています。国内のベンダーの中には3桁の伸び率を示している例もあり、今後右肩上がりの様相を見せています。

LINEの利用率が高いここ日本では、吹き出しでやり取りするLINEのようなチャットボットのスタイルが受け入れられやすかったという側面も、普及の理由のひとつとしてあげられるでしょう。しかし理由はそれだけではありません。ここからは、日本でチャットボットが広まるべくして広まった3つの背景について見ていきましょう。

【理由1】生産人口の減少を補う解決策として

国内では2016年、年間の出生数が100万人を下回り、少子化社会に突入しました。女性や高齢者の労働力の増加を見越してもなお、日本の生産人口の将来的な減少は避けられない問題となりました。

企業では今後見込まれる従業員の不足を補うために、チャットボットの導入を検討し始めました。たとえばカスタマーサポートなどでは対応する従業員の不足に対して、変わらない問い合わせ件数に対応するため、チャットボットに業務を振り分けることで労働力の不足を補うことができます。

【理由2】働き方改革推進による長時間労働の厳罰化

2019年4月以降働き方改革が進められ、長時間労働に対する厳罰化が強化されたことも要因です。少ない従業員が限られた時間内で、いかに効率よく働ける環境をつくれるかという工夫が企業に求められるようになりました。

チャットボットはオンラインで24時間稼働できますから、さまざまなライフスタイルの顧客の声に時間を問わず対応できるうえ、従業員の労働時間が増える心配も減ります。

【理由3】チャットボットの活用シーンの広がり

これまでチャットボットと言えば、主にBtoC(顧客対応)がメインでしたが、新しい利用法としてBtoE(従業員対応)としての利活用が増加してきました。

チャットボットの利用があまねく広がってきた背景には、もちろんスマートフォンの利用率の高さとインターネット環境の拡充が前提にあります。しかし中でも2020年4月以降、政府の外出自粛要請により対面ではなく非接触、もしくはリモートによるコミュニケーションの必要性が高まったことなどが追い風になっていると言えるでしょう。これまではオフィスで解決されてきた従業員の仕事に関する質問を、従業員の仕事量を増やすことなく、ストレスフリーで解決するための窓口としてチャットボットは大変便利に利用されています。

チャットボットはこのような時代背景の中で、企業の生産性を落とさないための、有効なツールであると言えます。さらにオンラインで24時間、従業員のかわりに業務を担い従業員の長時間労働の減少に貢献するうえ、顧客満足度の向上を図れる点も、多くの企業がチャットボットに注目し、導入し始めている理由と考えられるでしょう。

ChatGPT誕生がチャットボットの歴史における大きな転換点に

2022年11月、OpenAIが開発したChatGPTの誕生は、チャットボットの歴史における大きな転換点となりました。
ChatGPTは従来のチャットボットの課題であった、「不自然な会話」、「知識不足」、「創造性の欠如」を克服し、より実用的なチャットボットの実現を可能にしました。

ただしChatGPTは、学習データに含まれる偏見や誤情報の影響を受けやすいという課題があります。また、差別的な表現や偏見を含む文章を生成してしまう可能性もあります。
現在は、こうした課題を克服する仕組みを持つシステムも出てきています。

課題はありまだ進化の途中ではありますが、ChatGPTの誕生は、チャットボットの進化に大きなインパクトを与えたことは間違いありません。今後もチャットボットは、生成AIを始めとする新しい技術と連携しながら様々な分野での活用が期待されます。

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チャットボットでできること

チャットボットは決まったルールをもとにAIの分析・学習機能を利用して、機械と人との有効なコミュニケーションを行うツールです。

現在利用されているシーンや分野は幅広く、企業WebサイトやSNSでのお問い合わせ対応をはじめ、新商品のPR、各種サービスの予約・キャンセルや配達状況の確認など、さまざまなシーンで活用されています。

チャットボットの機能的3分類

チャットボットは機能の違いにより「シナリオ型」「AI型」「ハイブリット型」の3種類にわけられます。

「シナリオ型」 ・・・ シナリオ型はあらかじめ設定されたシナリオに従い、顧客が選択しながら解決策に辿りつくようにつくられたフローチャート式のチャットボットです。導入や設定が簡単で不自然な回答で顧客が戸惑う心配がなく導入や運用が行いやすい機能と言えます。

「AI型」 ・・・ FAQ型とも呼ばれます。あらかじめ登録された単語にチャットボットが反応し、ふさわしいテンプレートを表示します。シナリオ型とは違い、ユーザーの入力した言葉にリアクションするため、まるで対話しているかのような雰囲気をつくり出すことができます。またAIの自然言語処理技術で、ユーザーの求める微妙なニュアンスの違いにも対応することができます。

「ハイブリット型」 ・・・「シナリオ型」と「AI型」の両機能を組み合わせ、さまざまな選択肢を表示し、ユーザーがスムーズに回答に辿りつくのを促がすとともに、ユーザーから投げかけられるフリーワードにリアクションすることもできます。双方の機能が補い合い、得られるメリットが多いタイプと言えます。

これらのうち、需要の高まりが期待されるのがAI型のチャットボットであり、その市場規模が2022年には132億円となる見込みであることは先にも述べた通りです。膨大なデータを解析し適切な回答を行えるAI型のチャットボットであれば、パターン化した質問だけでなくユーザーの自由な質問を得られやすいため、ユーザーが抱えるニーズの本質を知ることが可能になると言えるでしょう。そのデータを集めてAIが学習していけば、チャットボットによる回答の精度や充実度はさらに上がり、企業にとって有用なデータ資産となるでしょう。

近年はチャットボットと言えばAI型、ハイブリット型を指すことが多くなっていますが、この3種類についてはしっかりと理解しておきましょう。

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正しいチャットボットの選び方

チャットボットは「とにかく性能の高いAI型を導入すれば良い」という訳ではありません。企業の課題や目的、使うシーンに合わせて適切なものを選ぶことで、費用対効果を高めることができます。

とはいえ数多くあるサービスの中で、どれが自社にふさわしいものか分からず戸惑う人も少なくないでしょう。ここではチャットボット導入の際に押さえておきたい2つのポイントを見ていきます。

「なぜ」導入するのか

チャットボットを導入する前にまず整理しておきたいことは「なぜ」導入するのか、その「目的」は何かという点です。

たとえば「少ない労働力を補いたい」「CVR率を上げたい」「顧客満足度を充実させたい」といったものが挙げられます。できる限り詳細に、明確に整理して、求めるものの本質を見極めることが大切です。

「どの」機能が最適か

目的がはっきりしたら、次はそれを実現するために「どの」機能を備えたチャットボットかを検討します。

たとえば「シナリオ型」なら一問一答形式で、社内外の問い合わせ対応に向いています。労働力を補うという意味では、カスタマースタッフの業務削減、あるいは人事・労務やIT関連のよく似た質問に答え、本来それらに対応する従業員の負担軽減にもつながります。またCVR率を上げたいならば、フローチャート式に進むシナリオ型はユーザーに気軽な質問を促がし、資料請求や商品の購入を安心して行いやすくする効果が期待できます。

一方「AI型」「ハイブリット型」は、蓄積されたデータから、統計学的に正答率の高い回答を選び表示するとともに、ユーザーとの対話を通じてブランディングやロイヤリティを向上させることに役立ちます。ユーザーの商品やサービスへの関心を長期的に保持したい場合に最適です。

チャットボットサービスを選ぶ際には、「なぜ」導入するか「どの」機能を選ぶかというこれら2つのポイントに加え、導入の手間や、コスト、運用管理のしやすさなども参考にすると良いでしょう。

これからのチャットボットはどう進化する?

チャットボットベンダーは顧客対応向け、社内対応向け、営業支援目的や他言語対応などさまざまなターゲットタイプに分かれており、業務効率化や顧客満足度向上など、企業が持つ課題に合わせて選びやすい内容になっています。

また近年国内でチャットボットベンダーとして参入しているのは、事務機器の大手メーカーや通信業界大手グループをはじめとした、多種多様な企業です。それぞれに特徴や強みがあるため、自社が抱える課題に合わせて検討してみると良いでしょう。

今後はチャットボットを活用して買い物を行える「チャット型コマース」や公共手続きへの対応などさまざまなサービスにチャットボットが取り入れられていくと見られています。

まだまだトレンドが始まったばかりのチャットボットは、各種企業をはじめ、自治体や医療・金融業界に至るまで、今後さらに活用の範囲は広がるでしょう。

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