チャットボットの失敗事例!導入には注意が必要

コラム

普及するチャットボット

ユーザーの問い合わせに自動で対応できるチャットボットは、非対面でのコミュニケーション手段としてビジネスで多く活用されています。

しかしながら、チャットボットを導入しても上手く活用できず、なかには中止にしてしまったという例も少なくありません。導入に失敗しないためには事前に十分な検討を行う必要があります。

それでは、どのような準備を行えばよいでしょうか。ここでは失敗の事例をもとに、チャットボット導入で検討すべき内容や、継続した運用を行うためのポイントなどについて解説していきます。

チャットボット導入のメリット

近年AI(人工知能)や自然言語処理技術が飛躍的に発展し、会話の精度も向上していることから、問い合わせや質問に24時間365日、自動で対応できるチャットボットの導入がすすめられています。

チャットボットをうまく活用すると、コールセンターやカスタマーサービスにおいて、スタッフの労働時間やクレーム対応負担の軽減、モチベーション維持、経費削減などが実現できます。ユーザーにとっても好きな時間に気軽に問い合わせができるため、満足度のアップにつなげることが可能になります。

社内では、人事や経理などの部門で定型的な質問の回答を自動化し、業務効率化を実現したり、ユーザーのダイレクトな声を多く集めて業務改善やマーケティングに役立てたりしています。

チャットボットの導入で起こる課題とは

とはいえ、チャットボットを最大限に活用するためには、ただ導入すればよいということではなく、検討するべき課題がいくつかあります。チャットボットの導入がどのように行われ、どのような課題が発生するのかを理解しておきましょう。

チャットボット導入には期間が必要

チャットボットの導入は、課題の把握、チャットボットの設計、データの準備、開発という流れになりますが、リリースまでには十分な準備期間を設ける必要があります。データの収集から想定される質問のインプット、事前学習、テスト検証に至るまで手間と時間がかるからです。

また、チャットボットはベンダーやシステムによっても異なり価格帯にも幅がありますが、導入コストをかけたからといって効果を発揮するとは限りません。

導入だけでなく、ランニングコストやチャットボットに対応できる人員の確保、それに対する利益など費用対効果を考えることが大切です。

さらに、コールセンターなどでは、KPIも変えていく必要があります。

「スタッフのパフォーマンス」や「顧客満足度の向上」など目標を数値化しにくいコールセンターでは、プロセスを細かく評価して目標達成につなげるKPI(重要業績評価指標)の設定が重要視されています。

チャットボットの導入でこれらの評価も変わってくるため、見直しやルールの設定なども必要になる場合があります。

チャットボットにはデータ収集と事前学習が必要

チャットボットには、シナリオ型とAI型があります。シナリオ型は、ユーザーに質問内容を選択させながら知りたい回答に到達するという方法で、FAQシナリオやフローチャートを作成していきます。

手軽に導入できるのがメリットですが、シナリオ通りの定型的な回答のみを行うので、多くの回答に答えようとすると膨大な量のデータが必要になってしまいます。

一方AI型は、チャットボットに自動応答の基礎となる教師データを読み込ませて学習させ、データ解析した結果から統計的に適している回答を導き出します。

類似する表現または表記ゆれ、複雑な質問にも対応しますが、インプットされていない情報や、情報の誤りを判断する能力はないため、回答の精度を向上させるためにFAQデータの追加や修正・編集などの「チューニング」と呼ばれる作業を繰り返し行います。

導入後の運用体制とメンテナンス

チャットボットの導入においてシナリオ設定、あるいはAIの学習期間を設けたとしても、実際に運用されていく中で質問の答えが正しくなかったり、質問に答えられなかったりなどの課題が出てくることがあります。そのため、定期的なメンテナンスとチューニングが必要です。

またチャットボットが対応しきれない場合は、人間のオペレーターにつなぐのが一般的ですが、連携パターンもいくつかあり目的やカテゴリ、時間や条件などに合わせて最適なオペレーターに割り当てる必要があります。

これらを実行するには、どのような運用体制を構築するかを事前に検討することが大切です。チャットボットの改善やPDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を回していくことで、業務効率化や顧客対応などの品質向上につながっていきます。

一方で、このような検討を行わずにチャットボットを導入するとどのような結果になるでしょうか。失敗した事例について紹介していきます。

失敗事例1・チャットボットが利用されない

ある大企業では、社内サポートとして人事関連部門にチャットボットを導入し、問い合わせに対応していました。初めこそ一定数の利用者があったものの、だんだんと利用されなくなり社内の評判もよくならなかったため、最終的には利用が中止となってしまいました。

この事例は、FAQやフローを増やしすぎたことが原因と考えられます。あらゆる問い合わせに対応できるようにとFAQを増やしすぎると、ユーザーの選択肢が増えて回答になかなか到達できない状況に陥ってしまいます。

FAQ情報が少なすぎても利便性に問題が生じますが、チャットボットは人と同じように相手の求めるものを理解・処理できるわけではありません。どのような質問が多いのか、どのようなことを求めるのかなど事前に傾向を絞り込み、運用中にも見直し・修正を行いましょう。

失敗事例2・電話問い合わせが減らない

ある通販サイトでは、疑問や質問に答えるチャットボットを設置しました。こちらも最初のうちは一定数の利用者があったものの、しばらくすると利用率は低下、電話での問い合わせが多くなってしまい、チャットボットが活用されなくなってしまいました。

この事例では、チャットボットだけで完結することを想定し、オペレーターとの連携がきちんと行われていなかったことが考えられます。ユーザーの求めるものの中には、サイト上で質問に1つ1つ答えていくよりも、「オペレーターと話した方が早い」というものがあります。

現状のチャットボットでは完全な無人化を実現することは難しいため、AIで解決できない疑問があることを想定してオペレーターに引き継げる設定を行いましょう。

また、企業によっては、ターゲットを明確にする必要があります。シニア層などにはホームページでの使い方が分からない人もおり、設置しても利用されないケースがあるため、そもそもチャットボットが必要かというところから検討します。

失敗事例3・欲しい情報が得られない

ある企業では、さまざまな社内データが増えたため情報検索のためのチャットボットを導入し、ビッグデータとも連携させた巨大なデータベースを作成しました。営業活動の資料検索や業務手続きなどの効率化を期待していましたが、使われることはほとんどありませんでした。

この事例は、社員が何を求めているのか、どのような目標があるのかなどが明確にされていなかったことが原因と考えられます。

まずは社内のニーズを把握し、チャットボット導入の目的に合わせたKPI設定を行っていく必要があります。

社内サポートの業務は目標達成を数値化しにくいため、プロセスごとの評価を行い改善していきましょう。またこの場合はKPIだけでなく、「対応件数」「チャンネル転換率」「チャット完了率」などの評価も行うのが一般的です。

失敗事例4・受信拒否されてしまう

あるECサイトはチャットボットを導入し、SNSと連携しておすすめ商品の提案やキャンペーン情報などを配信していました。少しずつユーザーが増えたため、発信を続けていましたが、次第に受信拒否をするユーザーも増えてしまい、結果を出すことができませんでした。

この事例ではユーザーのニーズをくみとれず、必要のない情報を発信し続けていたことが原因と考えられます。ユーザーの好みはそれぞれ異なるので、ニーズに合わない情報は拒否されてしまうこともあります。

PV数や問い合わせ数などが少ないとチャットボットも効果を発揮しにくいため、データ分析やトレンド、傾向などを考慮しながら、顧客とのつながりを意識した情報を発信していく必要があります。

導入する前に考えておきたいこと

チャットボットは、社内業務の改善、生産性の向上、顧客対応、マーケティングなどさまざまな活用方法があり、多くの企業で導入がすすめられています。

だからといって「自社でもとりあえず導入してみる」という考え方にはリスクが伴います。すべてではありませんが、前述した失敗事例のように、中止されてしまったり費用対効果が得られなかったりすることがあります。

まずは、企業が抱えている課題は何なのか、チャットボットでどのような効果が期待できるのかなど、目的と目標を明確にすることが大切です。

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導入後の運用をシミュレーションする

チャットボットは導入した後の運用が重要で、メンテナンスで質問や回答をチェックしシナリオの見直しを行っていきます。そのためにはPDCAサイクルを回す運用体制の構築と、それらを管理する専任者の選出が大切になります。

チャットボットの質が向上すれば、多くのユーザーに利用してもらうことになり、費用対効果、生産性の向上、顧客満足度のアップなどにもつながります。

また「自社に合ったチャットボットの導入」も大切です。チャットボットサービスやベンダーはさまざまであるため、目的やコスト、ユーザーの利便性や操作のしやすさなどを考慮しながら比較・検討していくとよいでしょう。

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